Chika’s Blog

相続と贈与 (2)

先ほど相続と贈与について考えてみましたが、

気になって相続税贈与税について実例を考えてみました。

1億円の財産がある場合

①贈与をせずに相続税で対応すると、妻+子2人の場合基礎控除が4,800万円。残りの5,200万円に相続税がかかるので、速算表によると税率30%、控除700万円となります。よって相続税の額は860万円。

相続税基礎控除額を超える部分について、子供2人に5年で暦年贈与すると、毎年520万円をそれぞれに贈与することになり、贈与の都度基礎控除110万円×2人分取ることが可能です。速算表によると410万円の贈与に対して税率20%、控除額30万円となりますので、贈与税の額は52万円×2人×5回=520万円。

③5年ではなく2年で暦年贈与すると、毎年1300万円をそれぞれに贈与することになり、速算表によると税率40%、控除額1900万円で、贈与税の額は286万円×2人×2回=1144万円。やはり年月をかけて贈与する方が得です。

④逆に10年かけて贈与すると、贈与税の額は300万円でした。

1億5000万円の財産がある場合

①贈与をせずに相続税で対応すると、妻+子2人の場合基礎控除が4,800万円。残りの10,200万円に相続税がかかるので、速算表によると税率40%、控除1700万円となります。よって相続税の額は2380万円。

相続税基礎控除額を超える部分について、子供2人に5年で暦年贈与すると、毎年1020万円をそれぞれに贈与することになり、贈与の都度基礎控除110万円×2人分取ることが可能です。速算表によると910万円の贈与に対して税率30%、控除額90万円となりますので、贈与税の額は183万円×2人×5回=1830万円。

③10年かけて贈与すると、贈与税の額は1,000万円でした。

2億円の財産がある場合

①贈与をせずに相続税で対応すると、妻+子2人の場合基礎控除が4,800万円。残りの15,200万円に相続税がかかるので、速算表によると税率40%、控除1700万円となります。よって相続税の額は4380万円。

相続税基礎控除額を超える部分について、子供2人に5年で暦年贈与すると、毎年1520万円をそれぞれに贈与することになり、贈与の都度基礎控除110万円×2人分取ることが可能です。速算表によると1410万円の贈与に対して税率40%、控除額190万円となりますので、贈与税の額は374万円×2人×5回=3740万円。

③10年かけて贈与すると贈与税の額は2,100万円でした。

 

考察

やはり長い期間をかけて贈与を進めていくことが節税になります。ここで注意しておくべき点として、XXX円を5年で贈与など、あらかじめ目標金額が決まっていると定期贈与判定されてしまい、一括贈与とみなされるようです。

自宅不動産評価額の関係で、基礎控除の対象にできる預金は限られていますし、相続税をゼロにすることはできないんでしょうけど、先々のことを考えておきたいと思います。