Chika’s Blog

入院して手術して退院した

日曜に入院し、月曜に手術し、金曜に退院してきました。

6cmの肝腫瘤が見つかり良性か悪性かわからないが手術が必要と言われたのが8月半ば。それから夫の知人の知人から医師を紹介してもらい病院が決まり、手術日は9月下旬となりました。

入院前

今回は親の助けを乞わないので、夫と子供たちに自活してもらいます。子供×2あてのTo do listと夫あてのTo do listを作成し壁に貼りました。
入院前日に「明日から入院するから。明日からみんなご飯買って食べて自分で学校行ってね。」と小4の次男に告げると「オワタ」と言いました。長男は「いいから、明日ラウンドワン友達と行くから、お金ちょうだい」と言いました。なんだかなぁ。病名とか手術の有無とか気にならないものかな?
日曜日の午後、私は少しうきうきと家を出ました。これで仕事からも家事からも解放される、と。

手術するにも人手がいる

けれど思っていたよりも不穏な雰囲気。入院にも皆付き添いが来ている。高齢者だから当たり前かもしれないけど。
「明日手術ですけど付き添いの方は8時半に来れますか?」と突然聞かれる。
そんな、あらかじめ言ってくれないと。しかも9時から前処置だから実際手術は10時ころからでしょ・・・?とうろたえつつ夫に連絡を取ると、朝8時半に病院まで来てくれるとのこと。「8時半に病院につくには、7時半に家を出るということだから、次男を30分は早く学校に送り出さないといけないよ?」と聞くと「あ、そっか。考えてなかった。」という反応。病院側も夫側も不安。

手術当日に告げられる「手術後はICUに入ってもらいます。ICUには決められたものしか持ち込めませんから、貴重品はご家族がお持ち帰りください。貴重品以外はナースステーションでお預かりします。」というセリフにさらにびっくり。ICUって最低1晩は入るよね。翌日に病室に移ってから夫に連絡して来てもらって貴重品を返してもらうってこと??
何度も仕事を休めないので、夫は貴重品として私の財布を持ち帰り、私はこっそりスマホと会社のiPadをリュックの中に隠しました。

本来は手術日丸一日の付き添いと翌日の面会に夫が来る必要があったわけで、独り身だったら手術もできない。恐ろしい。

手術、思っていたより大変だった

腹腔鏡手術だし、20年前に開腹手術も経験していたし、流れはわかってるから大丈夫と思っていましたが、付き添いの件ですっかり自信を失ってしまいました。自信というか、将来への不安。私が老後一人暮らしになったら誰か手術の立ち会いしてくれるんだろうか。

手術当日、手術着に着替えてください。と一言告げてナースコールに呼び出されてナースがどこかに行ってしまいました。どうやって着替えるのかわからない。全裸か?T字帯ってなんだっけ?結局ナースステーションに聞きに行きふんどし締めて意味不明な手術着という名のガウンを着て手術室に行きました。

手術室で背中に麻酔用の管を通すまでは想定通りでしたが、その数が記憶と違って3本で、打つたびあばらが痛むので涙ポロリ。こんなだっけ、手術って。このあとのICUでの身動きのとれなさも思い出されて悲しくなりました。麻酔で無事意識を失い手術終了。

ICUで1泊

ICUに移り麻酔が切れ、夫がちらりと顔を出しました。前回の手術ではICUにいる間ほとんどナースが来なかったので、ここしかチャンスはないとばかりに自己主張をします。「寒い」「のどが痛い」「首に刺さってるやつ(CVP)が痛い」
電気毛布をかけてもらえましたが、水はくれず、CVPも抜いてもらえませんでした。とりあえず夫は帰りました。

前回は腹腔鏡から始まり結果的に開腹手術で6時間コースだったのでICUでは猛烈に腰が痛かったです。寝返りしたいけど傷も痛く、20分おきにクッションの位置を変えてもらった結果、麻酔で眠らせてもらいました。今回は腹腔鏡のみ3時間で終わったそうなので腰も痛くなく、ICUの部屋も広かったのできょろきょろと周囲を見渡せました。ICL手術を受けている効果がここに。前回は裸眼で何も見えない不安な状況でしたが今回は裸眼で結構見えるので、ナースがおいて行ってくれた目覚まし時計を読むことができます。

両足に血栓防止のマシン、下半身にカテーテル、右手に動脈の点滴?と静脈の点滴、左手に静脈の点滴とバイタルチェック、上半身に心電図の電極、首にCVP、鼻から喉にチューブ、酸素吸入マスク、傷口の一つにドレーン。フル装備です。

翌朝ICUから一般病棟に移ることになり、足のマシンを外したほぼフル装備のまま移動しました。

一般病棟で3日

手術前の1泊は大部屋で、同室のおばあさんの独り言やゲップやトイレ共同に悩まされましたが、手術後は運よく個室をもらえました。差額11,000円ですが個室は快適。
フル装備で身動きが取れないのですが、ナースステーションからリュックを持ってきてもらい、携帯を取り出して電源を入れようとしたところ、なんと電源が入らない。不具合のある機種だったけど最悪なタイミングで電源が入らなくなるとは。

幸い仕事のiPadも持ってきたので、会社のメールで夫に連絡を取ることができました。夫のメアドを覚えていたからいいけど、覚えていなかったら陸の孤島になるところでした。1日ちょっと休んだだけで未読メールが70件。見たくなかったけど、これをかき分けて夫と連絡を取ります。

会社のPCではなくiPadを選んだのはよい選択でしたが、もう少しプライベートの情報も移しておくべきでした。Amazonすらアカウントがないし、当然プライベートのGoogleアカウントもなし。本来はそれが正しい使い方なんですけどね。

これらガジェットを充電するための充電器を設置しなければなりませんが、コンセントが見当たりません。きっとテレビの後ろに1つあるはず。ベッドの左右に配置された点滴や尿タンクや心電図や麻酔スイッチを片側に集め、意を決して立ち上がり、充電器をリュックから取り出しコンセントを探しますが、テレビの後ろにはなし。おなかの傷が痛くてしゃがめないし装備品が不安定すぎてこれ以上は捜索不能。うぐぐ、やむを得ない。頭上の医療用と思われる電源に充電器を刺して撤収しました。

水曜からカテーテルが抜け、首のCVPも抜いてもらったので、かなり動きやすくなりました。徐々に点滴や麻酔もなくなり、木曜にはもうすっかり自由な人。医師に1日早く退院したいと交渉し、金曜日に退院することになりました。

退院は一人で

平日の退院になったので、夫の迎えはなく一人で退院することになりました。貴重品として夫に財布を預けたままですが、Suicaにクレジットがついているのでカード決済できると気づいての決断です。診察券も保険証も財布の中ですが、入院時にチェック済みだったので出さずに済みました。来た時と同じくリュックを背負って一人で帰ります。タクシーののち電車で30分の道のりですが、座っているのは痛くてつらかったです。最寄駅から自宅までの4分の道のりも倍くらいかけて歩いて帰りました。意外と大変。

そんな入院手術のお値段は、、う、高い。
20年前は7万円以上は高額療養費として返金されたので、自己負担はほとんどなかったのですが、制度が20年の間に変わっていました。私程度の稼ぎでも所得区分は高ランクになるらしく、252,600円まで自己負担です。制度が補助してくれたのはたった4,600円。これに差額ベッド代が加算されて、305,156円でした。