手術後、10月の診察で医師に言われた仮の診断結果は悪性腫瘍。その一か月後さらに情報が出揃って伝えられた診断結果は良性腫瘍。その1か月間のお話。
10月の出来事
「結果的には癌だって。」
「やっぱりね。」
という会話を交わした10月某日。
8月に紹介状を出してもらった時点で悪性の可能性が高いと言われていて、手術前には良性の可能性が高いと言われていて、50:50の気持ちで手術。
仮の診断で悪性と言われてとった行動は以下の通り。
- 癌について調べる。素人ながらステージ判定すると後半に分類されるので、5年後生存率が低くてビビる。けれど癌について調べるのはかなり気がめいったのですぐやめた。
- 贈与税と相続税については手術前にかなり調べたので追加調査はなし。死亡後の相続手続の手順について調べようと思っていたところ。
- ほけんの窓口で生命保険について情報を得ていたので、急いで保険を申し込んだ。2年経過後は保険金額が上がるので2年は生き延びないと、と意気込む。
- 夫が思い出作りに走る。日本シリーズのチケットを手配した。次男の合宿のついでに夫婦で泊まりに行こうと提案される(結局次男の体調不良でキャンセル)。
- 死ぬまでにフレンチみたいなコース料理を食べたいなと言ったところ、「毎月でも食べに行こう」と夫が意気込んだ。
- 夫が生活費用のクレジットカード(家族カード)をくれた!
- 子どもたちに数珠を買った。
- がん保険の保険金請求書と診断書様式をダウンロードした。
- 傷病休暇を取るか熟考した。入院を傷病休暇扱いにすると、1.5年しか効果がないので、抗がん剤治療が始まった時に傷病休暇が取れないのではないか、とか。
- 仕事を辞める決意をした。
- ライフプランを計算した。
- 仕事を辞めておきながら、癌が再発せず、長期間生きてしまった場合にはどんな貧しい人生になるのか想像した。
- 癌になったことを伝えずに仕事を辞めることを上司や同僚に伝えるシーンを想像し、「なんで?」「裏切者」などと言われるだろうと想像して気がめいった。
- 癌になったことを伝えずに仕事を辞めたと親兄弟に伝えるシーンを想像し、「もったいない」と言われるだろうと想像して気がめいった。
- 仕事を辞めた後、疎遠になってしまった昔の友達に会いに行こうと思った。
- 仕事を辞めた後、午前中は図書館に行ったりヨガに行ったりピアノを弾いたりして過ごす生活を想像した。
- 仕事を辞めた後、少し離れた安いスーパーに買い物に行くことにして、レシピが増え、副菜がずらり並んだ夕食を作る自分を想像した。
- 仕事を辞めた後、会話相手がおらず老化または独りよがりになっていく自分を想像した。
- 仕事を辞めた後、「なんで働かないの?」と子供に非難される自分を想像した。
- 仕事を辞めた後、子供たちに今までのようにお小遣いをあげられない自分を想像した。
- 収入がなくなるので生活を切り詰めようと思った。推し球団のファンクラブに入るのはやめておこうと思った。服を買うのもやめた。
- 収入がなくなるので現預金比率を確保しようと思い、高額な投信積立をキャンセルした。
- 収入がなくなるので投資利益のみでどの程度稼げるのか考えてみた。
- タンパク質をたくさん摂取しようと、プロテインバーやギリシャヨーグルトをせっせと食べた。
- 闘病ブログ、死別ブログ、シングルファーザーブログを読んでしんみりした。
- キッチンの主が変わることになると焦って断捨離した。
11月の診断
急にやっぱり良性でしたと言われると、仕事辞めるのか続けるのか少し迷います。こんなストレスフルな仕事、さようなら、と思って1か月働いていただけに、これをまた続けるためのモチベーションを呼び戻すのは大変です。一方、やっぱり腫瘍は(良性だったとしても)ストレスが原因だと思うので、ストレスを減らすような働き方が必要です。働き続けるなら、金銭的にはすごく余裕が出て、ファンクラブにも入れます。仕事、辞めるかどうするか、迷います。